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キヤノントッキの差別化技術

成膜技術

チャンバ内を10-5Pa程の高真空状態にして、有機材料を蒸発源に充填し300℃程度に加熱し蒸発させます。蒸発源から噴出した蒸発粒子は、直進性を保ったまま他の粒子にほぼ衝突せずにガラス基板に付着します。蒸発する粒子の速度(蒸着レート)は水晶モニタで検出し、一定になるよう制御し、所定の膜厚になったら蒸着を終了します。
RGBの発光色を得るには、ホスト材料に数%程度の微量な色素材料をドーピング(添加)します。これは2種類の有機材料を同時に蒸着させ、基板上で混合膜を形成するもので、共蒸着と呼ばれています。
そして最後に金属電極膜を形成します。この時用いられるのは銀やアルミニウムなどで、蒸発温度は有機材料と違い1,000℃以上の高温になります。

アライメント技術

有機ELの蒸着プロセスは「蒸着と同時にRGBのパターニングを行う」ことが特徴的です。
有機材料は成膜後にエッチングでパターニングができないため、蒸着しながら蒸着マスクを用いてパターニングします。その際、蒸着マスクとガラス基板との高精度な位置合わせを行う「アライメント」の技術が必要になります。アライメントは、蒸着マスクとガラス基板の位置情報をカメラで取得したのち、その両者の位置関係を高精度に制御して行います。
近年、スマートフォンやテレビは高精細化が進み、4Kや8Kの画質に進化していくために、当社はアライメント技術で貢献しています。